会社設立登記完了することで、会社は登記上では成立します。
ただ、実際の会社設立はそこから始まるといっても過言ではありません。
現在、巷間では、会社設立から3年以内に7割に近い会社が消滅しているとも言われています。
本来、会社を経営していくことがいかに大変かは申し上げるまでもないのですが、経営にあたっては会計、税務、社会保険など考えなければいけないこと、処理を続けなくてはいけない事項が山積みです。
あるお客様から電話があり、税務署から書類が来て、決算をしなくてはいけないのだが、どうしたらいいのか?を尋ねられました。決して、他にもあり得そうもない話とは言えません。
会社を設立すること。要しますに、設立登記が完了するを重視してきた為に、その後の届け出などから始まる税務や会計をどこかに置き忘れた結果なのかも知れません。
叶う事なら、お客様の事業計画をお聞きしながら、幾度も定款の内容や構成をやりとりしながら会社設立、いいえ、会社が立ち上げるように応援したいのですが、なかなかに難しい側面があり過ぎます。
電子定款代行の功罪
電子定款代行を例えば5,000円とします。
定款はどこかのサイトからダウンロードして、会社名、いろいろと多種多様な目的を20項目程書き、ご自身お一人で設立です。役員はご自身と奥様。資本金は10万円。
内容としては、絶対的記載事項は記載されていますので、公証人を通過し、登記も完了しました。
ところが、この会社で、問題が起きます。
実のところ、創業にあたって、区の創業融資を借り入れしたかったというのです。わたしどもがこのことを知ったのは、相談の電話の差し迫った会話からです。
電話でのお話は、融資を受けるための事業計画書を作成して欲しいということだったのですが、お話の印象では、電子定款5,500円でしたから、事業計画書を作成する場合にも、5,000円、高くても1万円程度を想定されているようでした。
そのため、有償ながらも経営コンサルタントでの事前診断からの着手をお奨めしたのですが、その後ご連絡はありません。
会社設立以前から相談されることが好ましい事例
最初に、思うことは、融資や助成金を想定される場合、設立以前から相談されることが好ましいと思います。
会計や税務までもあらかじめ考慮する必要もあります。
ただ、電子定款代行のような5,000円という枠ではそれらはあまりに難しいことですから、あきらめの心境でもあるのですが。
せっかく、電子定款で印紙税40,000円を節約出来るのです。そのお金を会社設立後のために投資されてはいかがでしょうか。私どもは通常100,000円相当の登記を、電子定款までを含めて29,800~49,800円としました。そこにその40,000円を投資する、そんな起業家を期待するのは難しいのでしょうか。
それでも、起業家から、事業家へと進む皆様を心待ちしています。