過去には、チェンバレン元英首相の「無策な平和主義」が第2次世界大戦の引き金になったには有名な事実です。ナチスが近隣諸国を侵略し始めた時、チェンバレン元英首相は、遠い国の出来事だ、と言い、放置しました・・・。
米国のオバマ大統領は、シリアに続き、イラクで正に無策な平和主義、弱い米国を体現しましたが、チェンバレン元英首相を超えるのかどうか、歴史にその名を残すのか、更に注目です!
オバマ大統領の弱腰ぶりに批判集中 空母派遣も空爆「当面見送り」- 夕刊フジ(2014年6月19日)
ウォールストリート・ジャーナルも「(大統領就任から)5年以上がたち、われわれはこの大統領に指導力、戦略的な望みを期待すべきではないということを知るようになった」と批判した。
オバマ政権は2011年、イラクから米軍を完全撤収させただけに、ISILの攻勢を阻止できなければ、「完全撤収は失政だった」との評価を免れない。
オバマ氏は休暇明けの16日、バグダッドの在イラク米大使館の警備強化などを目的に、戦闘能力を持つ米軍部隊275人前後のイラク派遣を15日から開始したことを明らかにした。だが、同政権としては「地上軍の投入は検討していない」(カーニー大統領報道官)と早々と表明するなど、軍事介入は避けたいのが本音だったようだ。 田久保忠衛・杏林大名誉教授は「オバマ氏は今まで、シリアでもクリミアでも南シナ海でも、一切軍事力を使っていない。米国内からも『弱虫オバマ』という批判が集まっている」と指摘し、こう続ける。 「そもそも、今回のイラク問題では、米政府が地上戦闘部隊の派遣を最初から否定しているのが問題だ。仮に無人機やトマホークによる空爆に踏み切ったとしても、ISILは一カ所に固まらず分散しており、空爆だけでは効果は限定的だ」 オバマ氏としては、米国単独の武力行使を極力限定し、同盟国などとの「集団的行動」により紛争などに対処する国際協調路線を強く打ち出したばかり。新たな紛争に巻き込まれたくないという、米国の「戦争疲れ」「厭戦機運」も理解できる。