請負契約と委任契約について、もう一歩踏み込んだ説明をしたいと思います。これはホームページ制作に限らず、ランサーかどうかにもかかわらず、生じる問題です。

委任契約

委任契約とは、民法643条に定められているものです。民法における委任契約とは、当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方に委任し、相手方(受任者)がこれを承諾することを内容とするものです。

これを法律行為とした場合、前回に弁護士などの委任契約を示したものです。しかし一般でのことでお示しする場合、特定された仕事を依頼者(委任者)が受任者に委任します。

例えは悪いかも知れませんが、Aさん(委任者)がBさんに夕食に使うための「ハンバーグを作るのでC社のDとEを買って来るように」依頼(委任)しました。その場合に、Bさんは最悪、「C社のDはあったけど、Eはなくて買えなかった」ということで帰って来ました。そのため、Aさんはご自分で代替えのD社のFを買いました。

委任行為ですから、その場合にも、手数料を支払う約束であれば、手数料が支払われるでしょう。委任契約とは、仕事や製品の完成そのものを目的とせず、契約で合意した特定の仕事(買物に行き、DとEを探した)を遂行することで、その結果(Dは買えていない)を契約したものではないのです。更に依頼者が代替えのD社のFを買うことになりました。しかし、Bさんは民法644条での善管注意義務にも反していません。

請負契約

請負契約とは、民法632条に定められているものです。依頼者(発注者)から請負人は、仕事の完成を依頼されて、完成という結果に対してのみ、報酬を支払うものです。

先ほどの例でいいますと、請負では、Aさん(依頼者)から報酬を約束されて、夕食までに「C社のDとEを買って来て、ハンバーグを作る」ことをBさんは依頼されたのですから、少なくとも「C社のDとE」そのものを探して「ハンバーグ」を夕食までに完成させる必要があります。

最近多いように思いますのは、請負しておきながら、無責任な対応をしようとする者が増えているらしいことです。

説明責任

また、最大限専門用語を使わないようにして、相手に合わせて、わかりやすく、説明することさえ守れないランサーや事業者なども困りものです。一般に依頼する側は依頼を受ける側に比べて、依頼したい内容に十分な知識がない前提が要ります。
説明責任はとても大きな責任ですから、私たちも十分配慮するようにしています。

請負か委任か、依頼者、請負人かにかかわらず、ご相談に応じています。ただ、相談される場合には、1つ心に置いて頂きたいことがあります。相談を受ける側、例えば士業でもそうですが、受ける側にもそれぞれの思惑が存在することです。揉めてこそ、ビジネスチャンスなんて思惑はくれぐれもないことを祈るのですが。

 

善管義務:客観的に期待・要求されるレベルの責任を果たすべき義務です。プロである場合、客観的にもプロのレベル以上の責任を果たす必要があります。

 

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